ラインナップ
P-860-125 竹ピンセット |
P-860-150 竹ピンセット | P-863-150 ESD竹ピンセット |
1.竹ピンセットの特徴
①完全非磁性
完全非磁性ではないピンセットは、加工(切削や研磨など)や、磁石などの影響で磁気を帯びる(磁化する)ことがあります。
磁化したピンセットは、小さな金属部品や金属屑がくっついて作業性が悪くなったり、時計や計測機器などの精密機器の精度不良を引き起こす原因になります。
その点、竹ピンセットは完全非磁性であるため、強磁界環境でも磁化することがなく、磁気を嫌う環境でも快適に使用することができます。
・磁化しやすい素材のピンセットの場合
磁石に近づけるとピンセットにくっついてしまう | 磁化した状態で金属部品に近づけると... | 金属部品がピンセットにくっついてしまう | |
→ |
磁化したピンセットは金属部品がくっついてしまうため、部品の位置や角度を細かく調整したい時などに作業性が悪くなります。
・竹ピンセットの場合
磁石に近づけてもピンセットにくっつかない | 磁化しないため金属部品に近づけても... | 金属部品はピンセットにくっつかない | |
→ |
非磁性または完全非磁性のピンセットは金属部品がくっつかないため、部品の位置や角度を細かく調整しやすくなります。
②対象物を傷つけにくい
竹ピンセットは、その素材の特性から、対象物を優しくつまむことができるといった特徴があります。
そのため、対象物に傷つけにくく、精密部品などのデリケートなものを扱うのに最適です。
また、天然素材であるため、生き物に対して使用する際も安心です。
③軽量
ステンレス製 全長120mm | 竹製 全長125mm |
竹ピンセットは、ステンレス製のピンセット(全長120mm)の約1/5の重量であることから、長時間使用しても手が疲れにくく、継続して作業できます。
④先端を自由に加工できる
竹ピンセットは、先端を紙ヤスリなどで削ることで、お好みの形状に加工することができます。
例えば、先端を細く加工することで、より細かい部品をピックアップできたり、先端を平滑にすることで、シールのような薄い物に使用することもできます。
⑤絶縁性のためボタン電池をショートさせない(P-860-125、P-860-150 竹ピンセットのみ)
ステンレス製のピンセットで、上記画像のようにつまむと電池がショートしてしまいます。
竹ピンセット(P-860-125、P-860-150)は絶縁性のため電池をショートさせる心配がありません。
⑥静電気に敏感な電子部品にも使える(P-863-150 ESD竹ピンセットのみ)
静電気に弱いデバイスは人体が感知できないような微弱な静電気でも簡単に故障してしまうため、
当社では、電子デバイスを保護するためにRCJS-5-1(国際規格を基にした国内の静電気の管理に関する規格)に沿ったアイテムの使用を推奨しています。
ESD竹ピンセット(P-863-150)のESD管理値は「Rg<1×10^12Ω」であり、これはRCJS-5-1のESD保護アイテムに対する要求事項を満たしているため、静電気から電子デバイスを保護するのに最適と言えます。
この特性を活かし、ESD竹ピンセット(P-863-150)は半導体製造現場などでよく使用されています。
2.どの種類の竹を使っているのか?
日本には、実に約600種類を超える竹が生育していると言われていますが、
その中でも、真竹(マダケ)、孟宗竹(モウソウチク)、淡竹(ハチク)の3種類が有名であり、三大有用竹と呼ばれています。
ホーザンの竹ピンセットは、その強靭さと柔軟性から建築資材や竹細工などに幅広く利用されている「真竹(マダケ)」で作られています。
3.どうやって作られているのか?
ホーザンの竹ピンセットは高い性能と信頼を保証するために、材料の準備段階から徹底した品質管理を行い、職人の手によって一本一本丁寧に作り上げています。
・竹材の準備
まず、竹の状態を注意深く観察し、ピンセットにふさわしい竹を厳選して伐採します。
厳選した真竹は、ゆっくりと時間をかけて自然乾燥させます。
この工程でしっかりと水分を抜いておかなければ、後々カビや虫食いの原因となるため、素材としての安定性を高める意味でも重要な工程となります。
次に熱を加えて油抜きを行い、竹の耐久性を高め、竹本来の美しい色合いを引き出します。
その後、天日干しによって、竹の表面に自然なツヤを与え、滑らかな手触りに仕上げます。
これでようやく加工できる状態の竹材が完成しますが、この工程に数カ月の時間を費やしています。
また、ESD竹ピンセット(P-863-150)は素材の段階で高圧の窯で蒸し焼きにして炭化させています。
炭素には電気を通す性質があり、炭化させることで一定の電気を通す性質(静電気を逃がす性質)を持たせることができるため、静電気に敏感な電子部品にも使用することができます。
・表皮を使用して丈夫に仕上げる
竹の断面を見ると、外側(表皮付近)ほど維管束鞘(道管や師管の束)の密度が高くなっていることが分かりますが、
これは、強風などの外的要因から竹自身をより強固に支えるためであり、特に表皮は硬くて丈夫といった特徴があります。
ホーザンの竹ピンセットでは、この表皮部分を使用することで、丈夫でコシのあるピンセットに仕上げています。
もちろん、節の部分や傷、汚れのある部分は使用せず、綺麗な部位だけを贅沢に使用するため、自然な模様が美しく浮かび上がった竹ピンセットに仕上がります。
・職人技で一本一本丁寧に
ホーザンの竹ピンセットは、先端がぴったり合うように、熟練の職人が一本一本、手作業で丁寧に作り上げています。
この緻密な職人技によって、丈夫さと繊細さを兼ね備えた、唯一無二の竹ピンセットは作られています。
4.なぜ竹ピンセットが注目を集めているのか?
近年、環境問題への関心が高まる中、「竹」が地球環境に優しい素材として注目を集めています。
①環境負荷の低い素材
竹は、伐採した切り株から再生して成長するため、植え替えする必要がありません。
人口肥料・農薬を使わなくても、驚異的なスピードで成長するため、土壌や水への負荷が少なく、環境に優しい栽培が可能です。
また、加工時に発生した竹の端材は、切り屑や竹炭などにして畑に撒くことで、土壌環境を改善する効果があることも分かっています。
②持続可能な素材
切り株から再生できる竹には、すべての節に「成長点」と呼ばれる分裂組織が存在しています。
成長点とは、茎や根の先端部にある細胞分裂が活発な部分のことであり、ここが細胞分裂を繰り返すことで、植物は先端方向に伸長します。
一般的な樹木だと成長点は根や茎の先端にしかありませんが、竹は節の数だけ成長点があるため、成長点の数だけ成長が早いということになります。(実際に、1日で100cm以上成長したという記録もあります。)
さらに、竹は「地下茎」と呼ばれる地下に埋まっている茎で繋がっているため、地下茎に蓄えた養分をタケノコに供給し、急速に成長することができます。
一般的な樹木が光合成によって自ら栄養を作り出すのに対し、竹は地下茎に蓄えた養分を活用することで、より効率的にタケノコを育てることができるのです。
成長速度が速く、効率的に繁殖できる竹は、まさに持続可能な素材と言えるでしょう。
環境に優しく、手になじむ使い心地でずっと愛用したくなるホーザンの竹ピンセット ぜひお試しください。
5.竹ピンセットのラインナップ
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